コンクリート舗装
全国各地の現場で、コンクリート舗装に対応する技術と極意
事業本部 機械センター課長代理 真保 孝之
自社で重機を保有し、全国各地でコンクリート舗装を行う福田道路。あらゆる現場環境の中で、さまざまなコンクリート舗装・特殊技術に対応しています。また、現場ではさまざまな協力業者が集まり、一丸となって仕事に取り組んでいます。今回は、事業本部 機械センター課長代理 真保 孝之さんに、コンクリート舗装の技術と現場を指揮する極意について伺いました。
全国各地を飛び回り、コンクリート舗装を行う
主にコンクリートによる舗装を担当しているという真保さん。自社所有の機械を現場まで運搬し、組み立ててから施工に着手するといいます。「大きな機械ですから、そのままでは現場まで運べないんです。どの現場でも、いくつかのパーツに分けて運ぶことになります」と、涼しげな顔で話す真保さん。この話だけを聞けば、施工可能な地域は、機械を保管している「新潟周辺」のみと思う方も多いでしょう。
しかし、福田道路はほぼ全国対応。真保さんは、北は北海道、南は九州まで、巨大な機械とともに飛び回っているとのことです。「沖縄以外の場所は、だいたい行きましたね」実は、今回も九州から帰ってきたばかりだといいます。しかも、新潟で少し仕事をしたら、また九州に戻るというから驚きです。
あらゆるコンクリート舗装・特殊技術に対応
ここで、福田道路のコンクリート舗装について、少し紹介しましょう。福田道路では、大きなものではプレキャストやRCCP、小さなものはブロック舗装やファインアートまで、さまざまなコンクリート舗装・特殊技術に対応しています。近年は「スリップフォームペーバ」での依頼がかなりの量を占めます。
スリップフォームペーバに関しては、
- 最大舗装幅9.5mの「SP950」
- 最大舗装幅6.0mの「SP500」
を自社保有。 情報化施工への対応も可能です。
スリップフォームペーバでの施工に必要な「スーパーチャージャ」も、専用機を保有しています。最大約19mまでベルトコンベアを伸ばすことができ、ラジコン操作にも対応。あらゆる現場環境に、柔軟に対応します。
いくつもの現場をともにした、少数精鋭チーム
真保さんも、最近はスリップフォームペーバでの施工がほとんどだといいます。現場では、主に3人チームで行動。それぞれのメンバーが熟練者であり、お互い気心も知れているため、少人数で効率的に仕事に取り組みます。コンクリート舗装と一口にいっても、幅広い種類の現場があります。特に多いトンネル舗装のほかにも、空港の滑走路や港のコンテナ置き場など、さまざま現場をともにしてきたチームです。
多くの「仕事人」が集まる現場では、広い視野をもつことが必要
福田道路のチームは少数精鋭とはいえ、現場で一緒になる「他社のチーム」も、同じとは限りません。ベテラン揃いのチームもあれば、新人ばかりのチームもあるといいます。ときには自社だけでは人数が足りず、複数の会社でひとつのチームをつくっているような場合もあります。
真保さんたちが行うのは、あくまで「機械を使ったコンクリート舗装」。機械での作業後に必要な「人の手による作業」は、他社チームに依頼します。「新人ばかりの業者さんもいますし、若手の中には気難しい人もいます」新保さんたちは現場監督ではないものの、舗装後の作業を行うチームの監督はしなければなりません。まだ経験の浅い作業員は自分の仕事で手一杯で、視野も狭いため、意図せず機械に近づいてしまうこともあるといいます。
「指示を出すだけじゃなくて、新人さんが危険な場所に近づかないか、どう話せばわかってもらえるか。現場では広い視野をもって、いろいろなことを考えなくてはなりません」自分たちの仕事だけでなく、協力業者の人たちにまで気を配りながら、一緒に作業をすることの大変さが伝わってきました。
会社の枠を超え、「同じ現場で働く仲間」として仕事に取り組む
現場従業員や協力業者の中には、なかなか指示を聞いてくれない人や、物覚えが良いとはいえない人もいます。「たまに、明らかにふてくされてるような人もいて…」笑いながら話す真保さん。
しかし、最近ではそれもまた楽しくなってきたのだといいます。「ふてくされて、やる気がないように見える人たちだって、本当はちゃんと仕事をしたいんですよ。やり方がわからなくて、戸惑ってしまっているだけなんです」全国各地の現場を渡り歩き、いろいろな人たちと一緒に仕事をする経験の中で、そう思うようになってきたといいます。相手の気持ちを考えて、きちんと接すれば、必ずわかってくれる。話を聞いているうちに、彼のそんな想いが伝わってきました。
「仕事を教えても、別の現場に行けば離れ離れです。でも、またどこかの現場で一緒に仕事ができるかもしれないでしょう?」社内外を問わず、一緒に働く仲間を尊重する真保さん。
ひとつの仕事が終わり、現場を離れるたびに、一抹の寂しさを覚えるといいます。しかし、同時に「次の仕事をともにする人々」と出会う楽しみも、「また一緒に仕事ができるかもしれない」という期待も感じるのだそう。
仕事と、一緒に働く人たちへの真摯な想い。それは、全国各地の現場と同業者、そして業界全体を、ほんの少し良いものへと変えていっているのかもしれません。
※役職・内容は2020年10月取材当時のものです。